スケール機の写真集の中で、DG600のスタイルを超えた魅力ある胴体の機体を発見したのはもうしばらく前のことであった。
ASH-25と言う胴体の流れるラインに惚れ惚れしてしまった機体。
これを最後のオリジナルモデルとしようと決意し、直様製作に着手。
テンプレートを製作し、マスターモデルの製作に取り掛かりました。
この主翼の特徴として翼端の形状が特殊で、アキーラグランデのモデルキットにあった翼端がカールアップされた形状が、まったく逆の下面へカールダウンしているのです。
詳細記事ににもありましたが、特徴ある翼端チップを再現しなければと、あえて下面のマスターモデルからの製作となります。
前回のDG600の飛行を踏まえて、もう少し翼面荷重に余裕をもたせたく、スパン(翼面積)を3割伸ばし弱風でも余裕の飛行ができるようにと変更します。
このような小さな寸法の機体をモデル化した場合翼面荷重が大きくなってしまい、微風や弱風では滑空することが難しい機体となってました。
でも、昨今の搭載するメカ類は小型軽量になり、受信機やバッテリなど数グラムの次元でいろんな商品が揃っている時代であり、搭載物メカ重量は30gで十分飛ぶ機能を備えることが可能となりました。
機体製作重量がもし150gとなれば、十分200gを切れる重量となり、航空法の対象外にもなります。
都会の大きな河川敷の土手を利用したスロープソアリングも出来るような機体が理想形です。まずは製作を開始しました。
洗練された胴体形状は私が好む一番のスタイルです。
図面は入手しましたので、コクピット部分のボリュームをちょっとだけ増やし、見た目のスケール感を重視しておもいを込めて削り出し造形しました。主翼も完全スケールとするかをずいぶん迷ったのですが、剛性面を考えテーパー比を少しだけ小さくして造形しました。
翼端のカールダウン部分は作業台の取り回しの面で面の上へ造形するしかなく、あえて下面からのマスター製作になります。
上面からの製作にしてしまうとカールダウンの部分を造形するのに作業面を専用の寸法とすることになり、いつもの作業台を使い回すために下面からの製作となったわけです。
尾翼も特徴ある形状で、DG600のものを使い回すことも考えましたが、平面形を重視し、新調しました。
メカ搭載を軽量化の面から2サーボ搭載が基本で進めますが、飛行テストの結果で水平尾翼の制御も余裕があれば搭載してみます。
風速7m以上の条件であればフルチャンネル搭載の機体としても可能なはず。
フラップ装備は着陸用ブレーキを使えることになり、とても降ろしやすい機体となります。
主翼の構造が動翼のウェブ時も含めて左右で100gで製作が可能となれば、フルチャンネルでの製作をしてみようかと思っておおります。
9月30日、順調に作業が進んでおります。
ここまで製作が進みました。カンザシ治具はこの機種少量生産の目的で同じ位置にカンザシが来るように治具を製作しました。
今までは1機1機現物あわせで製作しておりましたので、共通性がありませんでした。
こういった治具を作れば破損交換スペア翼の時に便利です。
キャノピーはPET板の0.5ミリからバキューム整形で作りますので、雄型が必要になります。
かぶさる部分までオーバーラップして整形しないといけませんので、一度キャノピーの部分の外周5ミリプラスで雌型を抜き、そこへ砂セメントで雄型を作るといった工法ですね。
バキューム作業の写真が後日まとめて紹介します。
作業性の効率化で3機種のキャノピーを一度に10機分ずつ作らないと歩留まりが悪く、30個ほど連続でせいS買うすると結構いいものができますので、いつもそのようにしております。
今年春に7.2m主翼のDG系胴体キャノピーを作るためだけに200Vの配線を設置し、電熱器を新調、1m近くの長さまでキャノピー加熱することができる機器を作りました。
これも後日、紹介したいと思っております。
明日から主翼上面雌型制作作業、最終の型補強作業を済ませてウェブのジグまで作ります。
あとは胴体へ主翼取り付けの部分のルートリブを取り付け角に注意して固定して、フィレット整形/塗装/雌型制作の順で作業です。
もちろん、DG600の製品制作作業の合間で雌型制作をしております。
初期ロットの10機は1週間で売約済みとなってしまいましたので、その後に依頼を受けました方へはオーダーメイドととして制作しております。
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